ニューレター 2012年2月号

初回のニュースレターはオーストラリアの高校入学から大学入学までについてお伝えしたいと思います。

オーストラリアの高校( Secondary School )は Year 7 から始まります。 Year 7 は日本の中学校1年にあたります。

州によっては Middle School と呼ぶこともあるようですが、ほとんどの州は Secondary School と呼んでいます。

こちらの Secondary School にも公立と私立があり、公立は日本の中学校のように地区制になっていて、受験なしで入学できるようになっています。公立でも人気のある高校に入学させるには、もちろんその地区に住んでいなければなりませんが、子供が小学校に入学した時や子供が生まれた時に、入学希望リストに名前を載せてもらう必要があります。大学進学率の高い公立高校では入試を課すところもありますが、極めて珍しいケースです。

私立の入学も子供が小学校に入学した時や、生まれた時に入学希望リストに名前を載せてもらいます。

私立では授与型(返済義務なし)の奨学金入学枠があり、教育熱心な親御さんですと、楽器(ピアノやバイオリンなど)を習わせて成績との合わせ技で奨学金入学枠に入れさせることもあります。また、スポーツ特待生のような形で部分的奨学金を受け取る生徒もいます。

6年という長い Secondary School 期間ですが、 Year10 (高校1年)で勉強を終わらせることも可能で、勉強嫌いな生徒は Year10 終了後、見習工として大工や配管工、そして塗装工など肉体労働系の仕事に就いたり、公立専門学校の見習工コースに通いながら仕事をしたりします。

高校生の大学受験への道は Year 11 、日本の高校2年から始まります。

Year 11 と Year 12 で履修する科目はシリーズ化されており、どの科目でも大抵、 Year 11 でユニット1と 2 、 Year 12 でユニット3と4を学びます。

また、 Year 11 と Year12 で履修する科目は、進学したい分野に合わせて履修する必要があります。例えば、エンジニアリングを大学で学ぶのであれば、上級数学と物理を履修しておかなければなりませんし、アートを学ぶのであればアートの科目を履修しておかなければなりません。

Year 12 で受験する統一試験は各州・準州で管理され、学校に指示されますが個人的に手続きを行います。試験は毎年 11 月に行われ、結果は 12 月上旬に新聞・インターネット・イーメイル・携帯電話ショートメッセージで発表され、受験申請の際に複数挙げた入学希望大学のどのコースに合格をしたのか知ることができます。

受験する科目は 6 科目ですが、大学入学の目安とする ATAR というスコアは、すべての得点を偏差値に変えてから上位 4 科目を合計します。それに 5 番目と 6 番目の偏差値の 10 %を足してから ATAR に変換するという、多少、複雑な手順を踏んでいます。

入学希望大学のリスト変更は、試験管理局のウェブサイトより決まった時期に、大学、もしくはコース変更を行っておく必要があります。これをし忘れると試験を手続きした時に挙げた希望順で、入学する大学・コースが決まってしまいます。

オーストラリアでも欧米諸国と同じように高校を修了してすぐに大学には進学せず、“ギャップイヤー“を取る子供もいます。

ギャップイヤーは自分の適性が分からない、希望大学には合格したけれども本当にそれが勉強したいのかはっきりしない、やりたいことが具体化できず大学で勉強したいことが決められない場合に取るのが一般的です。

ギャップイヤー中にはアルバイトをしたり、海外に親戚のいる子供は親戚を訪ねて異文化体験をしたりします。

そして、それらの経験をとおして自分の適性を把握したり、やりたいことが具体化してから大学に進学します。

大学進学が1年遅れれば卒業も1年遅れることになりますが、大学卒業後の就職には全く影響を及ぼしません。たとえ卒業が2,3年遅れた場合でも、胸を張って説明できる経験をしていれば、企業は将来有望な人材として雇用します。

日本もグローバル化を真剣に図ろうとするのであれば、社会や企業がこのくらい寛容であってほしいものだと思います。

 

次回のニュースレターは 4 月の予定です。